恋の約束事

両想い


「キャーッ!来たあっ」
「今日もかっこいい!!」


朝、学校に来て教室で携帯をいじっていると廊下から黄色い声が聞こえた。

…王子だ。


見に行かなくても分かる。

だって、琉太が通る先に黄色い声がない日はない。


「キャーッ!!高平くーん」
「こっち見てーっ」

まるでアイドル。


「ふうっ」

私は息を吐いて、机に突っ伏した。


昨日は、あれから何事もなく琉太は教室に戻ってしまった。

私も、落ち着いてから教室に戻った。


同じクラスだし、一緒に戻るわけにもいかないしね。

昨日の出来事が嘘みたい。


いつもと変わらない朝。

いつものように遠くから王子様を眺める日々。

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