光の姫とゆかいな仲間たち
なんであたしはライト君と出かけたんだろう。
走り疲れて近くにあった電柱の陰でうずくまっていた。
あたしは最低だよ。
「うっ…。ヒック」
嗚咽を吐きながら泣いていると今一番聞きたい声が聞こえた。
「ヒカリ。それでも隠れてるつもりですか?」
フウタ君の声が聞こえて身体がビクッてして驚きを表した。
「フウタ君。ごめんね…」
ポツリとそう呟くとフウタ君はあたしに近づいてきた。
そしてあたしを後ろから抱きしめた。
「いえ。僕こそすみません。
ヒカリがライトさんといるのが信じられなくて怒鳴ってしまって。
ですが、ヒカリは僕に喜んでくれると思ってそれを選んでくれたんでしょ?」
フウタ君は優しくそう言った。あたしは言葉なんて出なくて小さく頷くしかできなかった。
「ヒカリのその浴衣姿物凄く可愛いです。僕にちゃんと見せて下さいよ」
フウタ君はそういうとグイッとあたしを引っ張った。
急に引っ張られたので重心は後ろに倒れてしまい、フウタ君共々後ろに転んでしまった。
「フウタ君…ごめん」
そう言ってフウタ君から離れる。
「やっとこっち見てくれました。改めてその浴衣似合います。
でも…」
フウタ君はそこで言葉を切るとあたしの腕を引っ張った。
そしてあたしに顔を近づけて呟く。
「今度からはライトさんと行くんじゃなくて僕を誘って下さいね」
フウタ君は艶やかな顔であたしを見つめた。その顔はいつものフウタ君とは別人だった。
「はい」
あたしが小さな声で呟くとフウタ君はいつもの笑顔を見せてあたしを立たせてくれた。
「まだ七夕祭り始まってませんけど行きますよ」
「うん」
あたしとフウタ君はどちらからともなく手を繋ぐとその場を後にした。
七夕はまだ始まったばかりだ。
end
走り疲れて近くにあった電柱の陰でうずくまっていた。
あたしは最低だよ。
「うっ…。ヒック」
嗚咽を吐きながら泣いていると今一番聞きたい声が聞こえた。
「ヒカリ。それでも隠れてるつもりですか?」
フウタ君の声が聞こえて身体がビクッてして驚きを表した。
「フウタ君。ごめんね…」
ポツリとそう呟くとフウタ君はあたしに近づいてきた。
そしてあたしを後ろから抱きしめた。
「いえ。僕こそすみません。
ヒカリがライトさんといるのが信じられなくて怒鳴ってしまって。
ですが、ヒカリは僕に喜んでくれると思ってそれを選んでくれたんでしょ?」
フウタ君は優しくそう言った。あたしは言葉なんて出なくて小さく頷くしかできなかった。
「ヒカリのその浴衣姿物凄く可愛いです。僕にちゃんと見せて下さいよ」
フウタ君はそういうとグイッとあたしを引っ張った。
急に引っ張られたので重心は後ろに倒れてしまい、フウタ君共々後ろに転んでしまった。
「フウタ君…ごめん」
そう言ってフウタ君から離れる。
「やっとこっち見てくれました。改めてその浴衣似合います。
でも…」
フウタ君はそこで言葉を切るとあたしの腕を引っ張った。
そしてあたしに顔を近づけて呟く。
「今度からはライトさんと行くんじゃなくて僕を誘って下さいね」
フウタ君は艶やかな顔であたしを見つめた。その顔はいつものフウタ君とは別人だった。
「はい」
あたしが小さな声で呟くとフウタ君はいつもの笑顔を見せてあたしを立たせてくれた。
「まだ七夕祭り始まってませんけど行きますよ」
「うん」
あたしとフウタ君はどちらからともなく手を繋ぐとその場を後にした。
七夕はまだ始まったばかりだ。
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