ちはる 保健室登校中
家には誰もいない。

わたしの親は、昔、離婚した。
いま、わたしは母と二人暮らしだ。

その母は仕事だ。どこでどんな仕事をしているかなんて、知らない。

わたしは、母を信頼していない。

近くに、信頼できる人は淑乃先生くらいだ。

そして、遠くにならもうひとりいる。
わたしのお兄ちゃん。

いまは、父と暮らしているはず。


でも、ずいぶん長い間会っていない。
父の家に行くのは、気が引けるからだ。きっと、お兄ちゃんもそうだろう。

最後に話したのは、中1の頃だったっけ?
それからは、お兄ちゃんが高校生になったせいもあって電話をかけていない。かかってもこない。
< 11 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop