Fahrenheit -華氏- Ⅱ



試されてるとか、そんなんじゃないな。


瑠華は自分なりに愛情表現を示しているのだ。


そんな彼女にまっすぐ答えたい。


俺は空咳をしてちょっとだけ起き上がり瑠華の目をまっすぐに覗き込み、ほんの少し微笑みかけると、彼女の白い耳元で、




「I love you.」




とそっと囁いた。


「愛してる」って言うよりも何倍も何十倍も照れくさかったし、恥ずかしかった。


慌てて体を戻そうとしてちらりと瑠華を見ると、


彼女は俺の大好きな太陽な笑顔を向けて、





「I love you too.(あたしも)」と答えてくれた。





―――I love you.



たった一文だけど、君が望むなら、君が笑ってくれるなら、俺は毎日彼女に囁くだろう。


何度でも繰り返すだろう。




I love you.





それは魔法の言葉―――







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