Fahrenheit -華氏- Ⅱ
*Side Ruka*
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「ただいま~」
と部長と佐々木さんは休憩に行った後、40分程で帰ってきた。
「おかえりなさい、早かったんですね」
「近くの中華屋さんに行ってきました」と佐々木さんがにこにこ言い
「ついでに桐島もな」啓は腕を組んでちょっとため息。
「桐島さんも?珍しいメンバーですね」
「桐島主査てちょっと不思議くん入ってて面白かったです。時々会話がかみ合わなかったけど」と佐々木さんがちょっと苦笑。
不思議くん?
あたしはそれ程接点がないからよくわからないけれど。
実直な人なのは確かだ。
「クロキリのことは放っておいて、柏木さんも入っておいでよ」啓が両手で横に除ける仕草。だけどすぐに不安げに眉を寄せ、
「まだ仕事が中途半端?」
と聞かれ、あたしがよっぽど難しい顔でもしていたのだろうか、啓はちょっとPCを覗き込んでくる。
ちょうどあたしと佐々木さんとで電話をするリストを振り分けていた最中だったが、今すぐやらなきゃいけないってわけでもない。
「いえ、お昼休憩いただきます」
あたしは短く言ってバッグを手に立ち上がった。その様子に啓は安堵したようだ。
今日はどこで食べようかしら。いつも割と一緒に佐々木さんと社食だけど、一人だし。カフェにでも出かけてこようかな。
なんてのんびり考えていたけれど
はぁ…
あたしは小さくため息。
カフェに行くのも億劫だ。そもそもあんまり食欲がない。
あたしは―――そんなに怖い顔をしていたのだろうか。
オークションリストを渡すとき、啓は引き腰だったし、佐々木さんは怯えているように見えた。
いつも通り―――なつもりだったのに、
やっぱり朝イチで村木さんと喧嘩(?)をしたから、多少なりとも影響が出ている。