赤い夜のサーカス
振り返り様、思いがけない訪問者の瞳が男の緑の瞳に映りこみました
「こんにちは、こんな人気のない地をなにようじゃ?」
高価な衣装に身を包んだ老人は、何かを疑うかのような目で男に問いかけました
『えぇ、ちょっと…。』
男はそれだけを語ると、身を隠すかのように去ろうとします
そのすれ違う瞬間、老人はその男の右目の異形さに気づくと、目を見開き息を飲みました
「まさか…、そんな馬鹿な…。」
その言葉は吹き抜けた風と供に、虚しく空に消えていきました