同窓会
こういう時、自分は何をすればいいのか、ただ黙っていればいいのか、今でも正解がよく分からない。

だけど、みんなが笑っているから良いのかな。

…そう思ったんだけど、前の席に座っている大石くんがさっきからずっと無言なことが気になって仕方がなかった。

「大石、お前どう思う?」

山崎くんは何気なく、きっと何の意図もなく大石くんに話を振った。

だけど、私の心臓は壊れちゃいそうなくらいにバクバク鼓動していた。

「俺は、前の方が良かった。」

大石くんが小さな声でそう言った。

「片桐って男で変わるんだ。」

大石くんの視線が少し冷たいように感じた。

どうしてそんなこと言うの?

どうしてそんな風に思うの?

「か、彼氏いないもん。」

私が言えたことは、たったそれだけだった。
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