同窓会
真っ直ぐに目を見られて言われた言葉。

あまりにもストレートな言葉なのに、まさか大石くんから言われるなんて少しも想定してなかったから、なかなか飲みこめなかった。

「お願いだから。」

大石くんに真っ直ぐに見つめられて、体の芯から熱くなる。

「う、うん。」

思わぬ展開にドキドキして、ぎこちない返事をしてしまう。

「ちょっと、座ろうか。」

思い出してみれば、大石くんに腕がつかまれたままだった。

大石くんに腕を引かれて、入口から少し離れた場所に置かれたベンチに腰掛ける。

「ごめん。腕強く掴んで。」

そう言って大石くんはパッと腕を離した。

「ううん、大丈夫…。」

恥ずかしかったのだけど、離されてしまったのは残念だと思ってしまう私がいた。
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