そこに咲くかたち。
第五章

疑惑

その日、あたしは寝坊して、夕方5時過ぎに家でメイクをしていた。 

遅刻の連絡を店長にしようと、ケータイを手にすると同時に着信音が鳴った。 
ゆいちゃんだ。 

ピッ
「もしも〜し?」

「あっみさきさん?おはようございま〜す。まだ家ですか?」 

「あはは。ちょっと寝坊しちゃってね。もう家出れそうなんだけど…、店長は?」

「あたし今出勤したんですけど…、また臨時休業みたいですよぉ。」 

「えぇ?また?なんでぇ?」

「分かんないんですけど……、あたしも何も連絡きてなくて…。店の玄関に張り紙があったんですよ。『本日は臨時休業させていただきます。』って。」

「そうなんだ…。」

「で、みさきさん来てるなら遊びたいなぁって思って電話したんですけど……。」 

「あ、うん!遊ぼうよ!あ……でも、あと30分位かかっちゃうけど、平気?」 

「大丈夫で〜す♪じゃあ駐車場で待ってますね♪」


あたしは用意を終えて家を出た。 



また臨時休業…か……。 
大丈夫かな? 

この店。 



そんなことを考えながら、あたしは店に向かった。


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