そこに咲くかたち。
第七章

彼の真実

あたしはももちゃんのアパートに向かっている。 

いつも…、幸せな気持ちでこの道を運転していたのに…。

ドキドキしながら向かっていたいつもの道を……、まさかこんな気持ちで運転することになるなんて…。


深夜でも、週末の今夜は交通量は多かった。
大きな音を出す車やバイクが、耳に障る。あたしはカーステの音量を上げた。





ももちゃんは電話に出なかった。何回かしたけど、繋がらない。 
でも、あたしはどうしても、今すぐハッキリしたかった。

これ以上待てない。 

さっきメールが来ていた事を思い出した。あたしはメールを開いてみる。 




『お疲れゆうべごめんね電話出れなくて。超爆睡してたよ飲み過ぎちゃってね  
今日は多分残業キツいよ最近さぁ…。
明日、愛希は仕事休みだよね?どっか行こうか?考えとけよ 
じゃあ、仕事がんばってね!」




ムカつく!! 



腹立つ!! 



悔しい!!


『全部知ってる』って言ってやるんだ!!




……全部……知ってるかは…わからないんだよね…。



あたしはメールを作った。

『明日休みなら、今から行っていい?会いたくなっちゃったの。もう向かってるからね』




「会いたい」
って…口にしたとき、
急に見えないようにしていた気持ちが、込み上げてくる気がした。




ムカつくけど腹立つけど………


あたしは……

今でもももちゃんが………




ぶっ飛ばしてやりたい気持ちと 


抱き締めてほしい気持ちが 


あたしの中でぐちゃぐちゃになる。 






あたしは何を求めて、ももちゃんのところに行くのだろう……。





今更……
原因や過程なんて関係あるのかな…?

結果を知ってるのに…?





途中、歩いている人影を見付けた。


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