そこに咲くかたち。

一夜


あたしたちはいつもコンビニの駐車場で待ち合わせていた。 

あまり暗くなることがないコンビニは、たとえ変な人にナンパされても、まずいことにはなりにくいから、

って、ももちゃんは言う。 

最初公園で待ち合わせたとき、あたしが怖い思いをしたからって。 





いつも通り、あたしは11時過ぎにそこへ着く。 



コンビニの奥。

端から3番目の駐車場。


ももちゃんの車を見つけた。


隣に駐車したあたしは、自分の車を降りて、ももちゃんの車に近づいた。


コンコンッ


あたしは窓を軽くノックした。 

ハッとしたようにももちゃんがこっちを見る。

あたしは手を振った。 



寝てたのか、考え事でもしてたのか、ももちゃんはボーッとしてる。 


? 

なんだろう。 




「あ」って顔をして、ももちゃんが車の外に出た。 

「ちょっとタバコ買ってくるわ。……行く?」 

「うん!あたしもタバコないんだ。」


ふたりでコンビニに入った。

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