THE BEST REVENGE
「なぜだ?」
「…………」
「何故こだわるのか、それなりの理由があるはずだ?」

牟魯田は煙草の煙を
口からゆっくり吐き出すと、
さらに由衣香を問いつめる、
いや、むしろ追いつめるように、
何だ、早く言ってみろ、と
彼女に尋ねた。
由衣香はフロントミラーの
遠く彼方を見つめていた。
そしてようやく重い口を開く。

「私は、とにかく知りたかったんです。彼女の苦しみを」
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