私はヤクザ



「・・・智・・・。」

私が口を開くと・・・。

『おい!!大丈夫か????』

智の手が私の赤く腫れあがった頬に触れた。

ドキドキがとまらない。

高倉さんの方を見ると真っ青な顔で
『なんで?なんでその子なの??
私達の方がずっと智と一緒にいたのに!!!』

泣きながら高倉さんはそう言った。

すると智は。
『お前は・・・。いつでも自分の事ばっかりだな。』

『なっ!!!そんな!!もう智なんて知らない!!!』

そう言って3人は校舎に消えていった・・・。

私は智と2人っきり。

私の目からはなぜか涙が溢れていた。

人前で泣いた事ないのになぁ・・・。
でも涙は止まらなかった。

そんな私を智は優しく抱きしめてくれた。

「ねぇ。智。なんでここに来たの???」

『小池に聞いた。椿が高倉たちに呼び出されたって・・・。』

「七海が・・・。でもなんで来てくれたの???」

『それは・・・。自分でも分かんないけど・・・。気づいたら走ってた。』

「え??そうなんだ。・・・助けてくれてありがとね!!!」

私が歩きだそうと立ち上がった時・・・。

智が私の腕をつかんで・・・。

『ごめんな。顔。痛いよな??俺のせいだよな。
でも俺・・・・。

お前が入学式のとき俺を起こしてくれたあの時から椿のことが気になってた。

今やっと自分の気持ちに正直になれた気がした。

椿。俺・・・。お前が好きだ。』

「・・・・・。う・・・そ・・・。」

私は信じられなかった。
でも。

「私も智が好き。ずっと大好きだった。
でも私には智の彼女になる資格はない。」

『・・・な・・んで??』

智の声がかすかに弱くなった。

「私はいつか智を・・・。危険な目に合わすから。

だから私には関わらない方がいいよ・・・。」

『どうゆう意味??何で??泣いてるのか???』


私の目からはまた涙が溢れてた。

私は智に家のことを全て話す覚悟を決めた。





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