ささやかではありますが



「シュウんち?」

「頼むからこれ以上他の人に絡まないでくれ…」


懇願するシュウさんに、椎名さんはすんなりと「わかったぁ」とシュウさんの肩に腕を回す。


「じゃーね、華。仕事頑張って!」


にっこり笑ってひらひらと椎名さんは手を振って、そんな椎名さんを抱えてシュウさんは「すみません、すみません」とぺこぺこ頭を下げて。
あたしは呆然とそんな二人の背中を見送るように立ち尽くしていた。


「…あたしが仕事だってこと、解るんなら勘弁してよ…」














「ごめんなさい…」


あたしが帰宅するや否や、再び椎名さんがあたしんちにやってきた。
今日は何時もの倍の量のお菓子を引っ提げて。


「…いや、別に今更椎名さんの奇行を気にしてなんかないですけどね…」


これで椎名さんのせいで仕事に間に合わなかっただとかそういうことになってたら、あたしもここまで温和な話し方をしてないとは思う。
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