桜の木の前で
“起きて・・・”

え・・・
だあれ?

ゆっくりとまぶたを開けて起き上がる。

「ここ、どこ?」

私は綺麗な和室の真ん中に寝せられていた。
起き上がり障子を開けるとそこには桜が美しく咲いていた。

「桜?」

今は冬のはず。
どうして桜が・・・・?

「ああ。起きたかい?」

背後から声を掛けられてわたしは振りかえる。

「あなたは・・・」

さっきの鬼だった。
< 31 / 166 >

この作品をシェア

pagetop