桜の木の前で
いいえ。違うわね。

瑠璃が迷いの無い強い信念を持っているからこそ、刹那様も安心できるのね。

この子は自ら光り輝き、大切なものを掴む。

もし、私も瑠璃のようだったら?

“もし、私があなたのように強かったらまた別の道をあのかたと歩めたのかもしれませんね・・・”

思わず本音が出る。

ああ、魂がこの姿を保てない。

私はゆっくり鏡へと戻る。

この鏡は泉里様との思い出の鏡。

だからこそ私はこの鏡に留まっている。

だけど・・・・

今の泉里様の愛しい人は誰かしら?

私はゆっくりと眠りにつく。
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