占い師の恋【完】




驚いて体を離そうと捻るが、後頭部を強く押し付けられ深く絡まるばかり。

やっと離れたそれに、あまりの緊張や羞恥から足の力が抜けてしまう。



「おっと。」



ガクンと崩れ落ちてしまいそうになる私の体を青は大丈夫?と笑いながら腰を引き寄せて支える。

力なく涙が浮かぶ瞳で何度目かもわからない、睨むという反抗を見せるが今の青には効くはずはなかった。




逆にヘンな奴の闘争心みたいなものに火をつけてしまったらしく…、



「足りなかった?」

「ば、馬鹿…!」



ニヤリ。笑う青から顔を逸らし足に踏ん張るよう力を入れ直し胸板を押し返す。

すると、青は私の指と自分の指を絡めるように手を繋ぐと囁くような声で



「やっぱ、もっかい…、」




重なった熱に、今度は私も求めてしまったのは



一生の不覚。


《この先、一生の不覚が  何度訪れるのか。》


ある意味、私が
青という渦に

のまれ始めているのか…



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