占い師の恋【完】


それから青はゆっくりと彼自身の゙秘密゙を教えてくれた。



勝負をしかけたのは、私と関わりを持ちたかったから。家を知っていたのは調べたから(その方法はあえて聞かなかった)。

風見さんや棗ちゃんに私を紹介したのは、本気で気に入ったから。後、あの二人は昔から青を知っている。


もしもの時私を助けてくれるだろうと思ったかららしい。



「…他に聞きたいことは?」


小首を傾げて微笑みながらそう問いかけてきた青に、静に首を横に振って返す。

青の「じゃあ、」と優しい声が聞こえてゆっくり青の顔を見直す。



「茉希の秘密を、教えて?」

「(…私の、秘密。)」


胸がどくんと跳ねた。
瞬間的に焦ってしまう。私の秘密、青の秘密、共有するために――…。

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