angel ring
神様…
私は、自分の病室に戻り携帯を手にして優からの連絡を待った。



優が病院に向かってから三時間がたったが優からの連絡はない。

私は心配になり優に電話をした。



呼び出しはするが優が電話に出る様子はない。



(はぁ〜どうしたんだろぅ…)


悪い事ばかりが頭をよぎる。


気がつくと黙っている事ができず病室を歩き回っていた。

出産の傷の痛みなど、この時は不思議と感じなかった。



夜の9時半を回った頃…


ブー…ブー…ブー…

暗い病室にマナーモードの携帯が鳴り響く。


「もしもし!!優??」

私は携帯に飛び付いた。

「もしもし玲?今まだ検査してるから。まだかかるみたいだから心配しないでいいから先寝てろな。体ちゃんと休めなきゃダメだかんな!」

優の声は明るいが無理に作っているのがわかった。

「優…ちゃんと隠さないで言ってよ!大丈夫ならこんなに時間かかるなんておかしいじゃん!」

優は一瞬黙り込んで、言いにくそうに小さな声で言った。

「うん…あのな…良くても後遺症が残るかもしれないって…。」

「えっ!?なんでそんな事になってるの?」

優を責める所じゃないのは自分でもわかっているが、この気持ちを誰かにぶつけずにはいられなかった。

「うん…ごめんな。終わったら必ず連絡するから、体ちゃんと休めてろよ!」

そう言って優は電話を切った。



訳がわからない…

先生は何も心配ないって言ったじゃん…

何でこうなったの…

純はどうなっちゃうの…



今まで我慢してた不安な気持ちが涙となって溢れてくる。



気がつくと夜中の1時をまわっていた。

優からの連絡はその後ないまま。





『神様…お願い…純を助けて下さい。私はどうなってもいいから…お願いします…神様…お願い…。』





私はただひたすら祈り続けた。

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