《完》天上のCANON 〜先生と奏でる、永遠のメロディ〜
今までそんなこと、
これっぽっちも考えた
ことはなかった。



むしろいつまでも過去に
囚われて、ウジウジして――

後ろばかり向いて、自分は
なんて弱いんだとさえ思ってた。



(……違うの?

あたしは後ろを向いてるん
じゃなくて、前を向いてる?

少しだけ足りない、その
“何か”があれば――…

あたしは、前に進めるの……?)



「何なんですか――その、
“何か”って……?」



「それは言えない。

言っただろう? 見つける
のは、如月自身なんだって」



「でも――あたし、きっと
ムリです。

今までだってずっと、
どうしていいかわから
なかったんだもの……」


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