【完】貴方が居たから。
いや、そんな筈はない。

見るからに真面目そうな人だし。



「俺、小春には敵わないけど、わりと実家は金持ちで、母親がストレスから手を出してね…」



「今は、どうされてるんですか…?」



「…依存して、結果、亡くなった」



「……」



言葉を失った。

悲しい過去を思い出させてしまったのに、謝る事も出来ない。

世界の現実を、受け入れられない。

どうして、簡単に手に入るようになってしまったんだろう。

恐怖だけでは片付けられない。

密売者、使用者も私と同じ人間だと思うと、悲しくもなってしまう。
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