新聞部部員AとBの事情。

「マジで止めろよ!ここまでやっと伸びたんだよ!!崇城にあって俺にないものはこの前髪だけなんだっつぅの!!」

あ、そんな事を考えてたんだ。
前田部長の健気な一面に、部長崇拝者組はキュンと来ていた。

利郎は淀野と一緒に部室の壁にもたれながら、ただじっと成り行きを見ている。

淀野は淀野でこんな楽しいイベントはないとでもいうようにニヤニヤしていた。





「大丈夫です!部長は崇城さんの真似なんてしなくても…、本当に格好いいんですから…!」


「(!)」


利郎はびっくりした。みくが…、泣きそうな顔で笑ってみせたから。

しかしその切なそうな顔は一瞬だけで。


真似なんかしてねぇ!足りねぇ部分を補ってるだけだぁ!!と喚く部長にお構いなく、みくはハサミを入れていく。


利郎は見間違えかと思ったが、その柚木の顔が頭からなかなか離れなくて少し困っていた。



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