*゚。シリウス。゚*
あたしは素早く立ち上がると、鞄をわし掴みにして走って部屋を出た。
急ぎ足でカラオケを出る。
やだ…何なの?あの人……。
あたしはカラオケから早く離れたい一心で、歩く早さを速めた。
その時。
「菜ー奈ちゃん♪」
ガシッと誰かに腕を掴まれる。
嘘…。
この声って…。
後ろを振り返ると、そこにいたのはさっきあたしに絡んできた“修二”とかいう男の人だった。
あたしは恐怖心でいっぱいになり、必死に腕を振りほどこうとする。
「離して下さいっ…!!」
「なんで?菜奈ちゃん1人でしょ?送ってくよ」
修二さんはあたしの肩を無理矢理グイッと引き寄せると、車が停車させてある場所まであたしを連れていく。
凄い力で身動きが取れない…。
嘘っ…!
このままじゃ、あたし…。
あたしは最後の力を振り絞って、抵抗する。
――その時。