王様と庶民~九条家長女のお話~

お土産



「先輩っ!お久しぶりです」

「ああ」

「パーティーは楽しかったですか?」

「つまらないに決まってんだろ」


~お土産~







「パーティーって美味しいもの沢山出るんですよね?!」

キラキラした大きな会場に、
綺麗なドレスを着た女の人、
豪華な食事……


羨ましい!

食事って食べ放題だよね?!


「パーティーなんて楽しいものじゃないぞ」

「え、そうなんですか?ダンスしたり、可愛い子ナンパしたり出来ないんですか?!」

「お前、女が女ナンパしてどうするんだよ……」


何って、心の潤いの為に…?

ほら、倭とか琴とか棗とか、可愛い子って見てるだけで癒されるし


「…そうだ。お前は普通じゃないんだった」

そんな初歩的なこと忘れてた

そう言うと先輩は小さくため息をついた




「いいか、」

まるで小さい子に言い聞かせるように先輩は話し始めた

……どこまで馬鹿にされてるんだ、私は←


「パーティーなんて庶民からしたら上流階級のお遊びだと思うかもしれない。だがそれは違う。
パーティーは相手との腹の探りあい。自分の家の利益しか考えてない奴らばかり参加する」


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