透明度にゼロを贈れ
+初


「ありがとうございます」

丁重な挨拶を交わす私は


あの子の母親。

私は手に入れたのだ。


ここに来るまでの
苦楽や葛藤を思うと
私が今味わっている幸せは

当然のものかもしれない。


溢れる喜びを
心の中に留めながら

隣に座る「佐倉彩和」を見て
確信する


この子が
永遠に
「良い子」であり続けることを



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