やりなおし枕【BL】
浮かれすぎな彼は、
ろくに前も見ずに進む。
早すぎて、ゆっくり歩く俺とは、
少し離れてしまっていた。
手でも繋いでいればよかった。
繋いでみたかった。
少し幅のある道路だって、
どうせいつも車は少ないと、
そう知っていたから、
彼は、立ち止まらなかった。
馬鹿だ。
そこに、同じく前をよく見ていない車。
公園手前の一時停止を無視し、
しかもスピードを出していたそれは、
彼を視界に入れても、止まれなかった。