ありえない高校生マリッジ
彼は私から離れて、バルコニーの手すりに肘を乗せて、夜空を見つめる。

私は涙を手の甲で拭って、伊集院先輩の隣に立った。


「明和に入るまではずっと東京の学校に通っていた。
でも、私の父親は総理大臣。皆、忖度でしか寄って来ないんだ。
だから・・・心から話せる友達は居なかった。ここに来て、寮に入ってやっと友達が出来た」

「それが渚君?」

「渚は私をライバルと思ってるけど、私にとって渚は初めて出来た親友だ」

「渚君はそう言いながらも、伊集院先輩のコト頼りにしてます」

「頼りにされたのは今回が初めてだよ。よっぽど、切羽詰まってるんだよ。渚は・・・でも、鍛造叔父さんはその親友との付き合いを絶てとうるさい」

「・・・」

「自分の不都合な存在だからな。自身の保身し考えていない・・・」

「それが私の本当の父親・・・」

「父親だと思えないでしょ?君の父親は鷹栖さんでいいじゃない」

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