ありえない高校生マリッジ
「俺たちの年で、子供が居るなんて・・・いつの間に・・・凄いぞ。渚」

「正確には、その智樹は那岐の弟だ。コイツの両親はバス事故で亡くなったんだ。天涯孤独になった那岐は氷室家を頼って・・・」

鷹栖は俺を捨てて、屋敷を出たクセに、那岐と智樹を俺に押し付けやがった。

「・・・へぇーそう言う深い事情があったのか・・・でも、那岐ちゃん明るいし、強いね・・・ポジティブと言うか・・・」

「伊集院先輩・・・」

「まぁ、渚だけではなく、私達生徒会も頼ればいい」

「ありがとうございます・・・あの・・・」

「何?」

「ティラミス、食べていいですか?」

「あ。どうぞ」

敦司は那岐に向かって優しく微笑みかけ、自分のティラミスを分け与えた。

「じゃ敦司お前が、那岐と結婚して、智樹のパパになればいい」

「私には許婚が居る。そんなコトはできない」

「敦司って、許婚が居たのか??」
圭吾は頓狂な声を出した。俺も初耳で驚く。

「何処の誰だ?」

「誰って・・・父上が決めた人だから・・・分からない。そういうコトだから・・・渚お前が那岐ちゃんの夫で智樹君のパパだ」
敦司の不敵な笑い。内心、許婚は絶対に嘘だと確信した。

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