秘密のMelo♪y⑤*NY編*
―――……
「んじゃーごちそおさまでしたぁ❤」
「…満足そうやな」
「じゃあねまおちゃん。ゆっくり休んで、早く治すんだよ」
「……行っちゃうのりんりん」
「……ううん行かないっ」
「行くわボケ」
藤峰家のご馳走は、確かにご馳走だった。
たぶん、僕ら一般人には本来一生縁のないであろうくらいの…。
そしてそれらを遠慮なくたいらげた(主に花梨)僕達は、ホテルに戻ることとなった。
そしてそれは、同時にしばらくの別れを意味する。
今日中には仕度を整えて、明日にはここを発つからね。
「あ~んまお~っ」
口元に手を当てて、名残惜しそうに花梨を見上げるまおちゃん。
花梨はというと、腰をくねらせながら悔しがっていた。
「くっ…。替え玉が…! 替え玉さえいれば…!」
「お前それ本気で言うてるんか…?」
そんな発想が真顔で出てくるはずがないと言わんばかりの表情の修平に咬みつく花梨を放って、まおちゃんに言った。
「大丈夫だよ。“あれ”、すぐ来るって張り切ってたし」
「ほんとーに?」
「“あれ”の行動力知ってるだろ?」
「……」
あれと言うたんびに花梨を指差しながら笑うと、まおちゃんはこっくりと頷いた。
「とおぜんよっ。来てやるわ!? ……てかあんた、さっきからあれあれて、それあたしんこと?」
「なんのことかな」
「そういう作戦!?」