鏡の向こう


『ぁのね、実はね……、』

「ん?」

私は、今なら言える気がして、

口を開いた。


『私ね、実有さんのこと、
拓海くんの本命なんだと思ってたの。』

「はぁっ?!!!」

『だからね、突然電話切っちゃったの。』


「ちょっと待って。」


拓海くんは、
困惑した表情で私を止めた。


「実有が本命って…?」


『実有さんがほんとの拓海くんの彼女で、私は浮気相手の方だと思ってたの。』


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