桃染蝶
兄貴の祖父で俺の母のいとこ
である義母さんの父。

そう、俺にとっても戸籍上は
祖父にあたる人。

そんな祖父から、兄貴は手を
引っ込め冷めたい瞳で見つめる
祖父の手を。

そう兄貴は、祖父の勧めもあり
物心をついた頃には、もう竹刀
を持ち、剣道を習わされていて
めっぽう強かった。

剣道で扱かれて得た兄貴の握力
は相当なもの。

その手はいつでも凶器に変わり
武器など要らない。

「イチさん

 行きましょう」

「ああ」

倒れる男の足元には男が所持
していた鉄パイプ。
< 35 / 386 >

この作品をシェア

pagetop