渋谷33番

 泣きはらして戻ってくると、和美が、
「おうお帰り。またなんか言われたんか?」
と笑った。

「和美さん。戻ってこられたんですね!」

「独房なんてそう何日も入れへんねん。まぁゆっくり考え事できたわ」
あっけらかんとしている和美に、雪乃も力が抜けて座り込んだ。

「キャシーは?」
トイレにもいなさそうなのを見て尋ねた。

「あー、弁護士。また示談をしろって言いにきてるんちゃうかな」

「聞きました。かわいそうですよね」

「で、そこの少女はなんで泣いてるんかな」
意地悪そうに尋ねる和美に、雪乃もようやく笑った。

 雪乃はさきほどの取り調べについてすべてを和美に話した。証拠がすべて松下野々香のものだったのを聞いたときは、興奮したように身を乗り出していた和美も、最後の植園のセリフを告げると、考え込んでしまった。


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