渋谷33番
 和美が頬をふくらませて腕を組む。
「おそらく警察は、そのXからの情報、いやタレコミだけでは令状はとってないやろうな。他に何かしらの証拠を握っていると考えたほうがええわ」

「証拠・・・」

「その証拠が刑事たちの『持ち駒』なんやと考えると、それは相当威力を持ってるはずや。令状がとれるくらいのな。次の取り調べでそれが分かるとええねんけどなぁ」

「でも」納得できないように雪乃は眉をひそめる。
「やってもないことの証拠ってなんなのでしょうか?」

「イミテーション、ネ」
キャシーが人差し指を挙げて言った。その後を和美が受け継ぐ。
「そう、考えられるとしたら捏造された証拠、つまり偽物や。でもそれは、警察をも信じさせるくらいの精巧な偽物やと思うわ」






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