大切なあなたに
桜が咲き誇る四月。入学式。

今日から高校生となる。

・・・でも、あまり嬉しくはない。

実は・・・今日一緒に来ているのは両親ではなく、母方の祖父母なの。


あっ、自己紹介してないよね。

わたしは、篠原美羽。新高校生。

中学校のときに、突然始まったいじめ。

3年間ずっと続いた。

いじめが始まったと同時に両親からも見捨てられた。


「なんで、あんたなんか産んだんだろう。」

・・・だって。笑えるよね。自分の子供なのに。

「本当に、美保はどんな神経しとるんじゃ?」

「そうですよ。ねぇ、美羽ちゃん。今からでもいいから、私たちと一緒に暮らしましょう?」

「そうじゃよ?わしらの家からじゃったら、ここの学校まで近いじゃろ?」

「・・・うん。ありがとう、おじいちゃん。おばあちゃん。でも、もう少し頑張らせて?」

じゃないと、強くなれないから。

「でも」

「まぁ、いいじゃねぇか。ただし、無理だったらわしらに言うんじゃぞ?」

「そうですね。わたしたちは、いつでも美羽ちゃんの味方ですから。」

  おじいちゃん、おばあちゃん・・・。

「ありがと。・・・あっ、そろそろ行くね。」

「おっ、そうか?がんばれよぉ。」

「いってらっしゃい。」


「いってきまぁす!」


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