龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
「雷?」

「大きな音が苦手。びっくりしちゃう」

「嫌いな人間の方が多いよ。どうして笑われるって思った?」

わたしはアイスクリームを大きくすくって圭吾さんの口元に差し出した。

圭吾さんはそれをパクッと食べる。

「志鶴?」

「……小さな子供みたいだから」

「僕はそのままの志鶴が好きだよ。子供っぽいところが可愛くてからかう事もあるけど、馬鹿にしている訳じゃない」

「分かってる。でも、自分に自信が持てないの」

「ゆっくり進もうと決めただろ。僕は待てるよ。まあ、今朝みたいに先走ってしまうこともあるけど」

「今朝っていえば、わたしどうして圭吾さんと寝てたの?」

圭吾さんはちょっと困ったような顔をした。

「夜中に志鶴がいるかどうか見に来たんだ。あんまり気持ちよさそうに寝てたから、ちょっとだけ添い寝をしたくて――朝早く起きればいいと思ったんだけど」
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