龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】
戻ってきた圭吾さんは病室の入口で立ち止まった。

わたしの顔を見るなり表情が厳しくなる。


「圭吾さん、違うの。悲しい話をしてたの。でもつらくはないわ」


「本当に?」

圭吾さんは近づいてくると、わたしと並んでベッドに腰掛けた。


「もう行くわ。話してくれてありがとう」

初音さんが立ち上がる。


「テレビの仕事はやめた方がいい」

圭吾さんが言った。

「興味本位で、危険な場所でもおかまいなしだ。あなたの能力ならむしろ占い師向きだと思うが」


「ご忠告、有り難く受け取るわ。そうね、それもいいかも」



初音さんが去った後、圭吾さんの肩に頭を乗せた。


「圭吾さんって過保護」

「そう? 彼女と何の話をしてたの?」

「帰ったら教えてあげる。だから家に連れて帰って。圭吾さんの部屋に泊めて」


圭吾さんはわたしの肩を抱いて低く笑った。


「一緒に寝てくれる約束だしね」


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