イジワルセンセイとハチミツな恋～どきどき・胸キュンホームルーム～

「はぁ……」


空しい溜息をつきながら乃理道は教室の中に視線を移し、今度はまり子の姿を見つけ出すと、その様子をじっと伺った。


そして、南先生に責められて乱れ悶える彼女の姿を再び思い出しては、悶々とした気分になったのは、若い男の子なら当然の事である。


◆◇◆◇◆◇


午後の日差しは柔らかで、外に出る事で得した気分に成る様な陽気の中、乃理道達男子は、体育でソフトボールに興じていた。


「眠い…」


乃理道が打順を待ちながらぽつりと呟いた、その時だった。


「――お～～い、行ったぞ！」


遠くで声がした様な気がしたので、無意識にその方向に顔を向けたその瞬間、顔面に激しい衝撃を感じた。


「だから、言っただろうが、全く…」


乃理道は顔にファールボールを受けて、その激痛に、その場で蹲った。