あきれるくらい側にいて
「配合は変えない、香料は使わないって、それでどうやって匂いを抑えるんだよ?」
少しだけ係長の語気が強くなったように聞こえた。だけどハルは穏やかに答える。
「そこを開発のプロにお願いしたいんです」
「そう言われてもな~」
「他の成分、例えば保湿剤を天然のものに変えるとか?」
うーん、と腕組みをして考えこむ係長。
そこへ生産管理課の研究員が口を挟んできた。
「じゃあ、昨日電話で話した色の件はどうするんだ?」
「着色料も一切使いません」
「だがアクツッ」
「すいません! コンセプトは変えられないんです」