あきれるくらい側にいて

「配合は変えない、香料は使わないって、それでどうやって匂いを抑えるんだよ?」


少しだけ係長の語気が強くなったように聞こえた。だけどハルは穏やかに答える。


「そこを開発のプロにお願いしたいんです」

「そう言われてもな~」

「他の成分、例えば保湿剤を天然のものに変えるとか?」


うーん、と腕組みをして考えこむ係長。

そこへ生産管理課の研究員が口を挟んできた。


「じゃあ、昨日電話で話した色の件はどうするんだ?」

「着色料も一切使いません」

「だがアクツッ」

「すいません! コンセプトは変えられないんです」

< 65 / 200 >

この作品をシェア

pagetop