あきれるくらい側にいて
「それは、やっぱり…」
「無愛想だから?」
「わかってんじゃないのよ」
そう言ってモモちゃんは、対面式のキッチンの向こうへ行ってしまった。そして冷蔵庫を開けながら、こんなことを言ってきた。
「アタシはあの堅物がキライってだけで、結婚に反対はしてないわ。相手に求める条件として“経済力”ってのは必要不可欠だと思うしね。でも──
ねぇ、サクラ?」
「なに?」
だけどモモちゃんは黙ったままで……しばらくしてから「ううん、なんでもない」なんて返してきた。
「なによー?」
「だからなんでもないって。それに予定も願望すらないアタシがとやかく言うことじゃないわ」
あぁ~お腹すいたーなんて夕食の支度に取り掛かるモモちゃん。
その姿を眺めながらあたしは胸の中が、もやもやしたままだった。