チャリパイ8~恋のエンゼルパイ~

(いきなりやって来て、お見合いの最中の詩織に対してプロポーズをするこの男は一体……?)


当然の事ながら、金田は耕太の事を知らない。


困惑する金田の様子を見て、羽毛田はあるアイデアを思いついた。



「おお~っ!
若~!まさか直接いらっしゃるとは!」


羽毛田は耕太を『若』と呼び、側に近寄って足下に跪いた。


「わ…若って……こ…この方が関東竜神会新宿支部の若頭…藤堂竜也様で……」


普通の精神状態ならば、耕太の風貌はとても暴力団の若頭には見えない。
しかし、今までさんざんに羽毛田に命の危険を脅されてきた金田は、そんな正常な判断さえ出来ない程に精神が衰弱しきっていた。


しかも、耕太の方も長時間走った後のランニングハイとでもいうのか…目は血走り妙な迫力があった。


耕太を見て怯える金田に、羽毛田が更に追い討ちをかける!

「おい!テメェ!
生命保険には入ってるんだろうな!」


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