アラサーダサコに恋して

暴走する本能

「はい!ありがとうございます。あのトシ子さん・・・」


「ん?なぁに」


「よかったら今度映画でも見に行きませんか?」


思わず口をついた言葉に自分で驚いた。


ホント俺って暴走王だ~。


「映画かぁ~」


トシ子さんは少し間をおいた後、


「最近忙しくて見に行ってないなぁ。でも私みたいなおばさんとでいいの?」


俺は慌ててこう言った。


「おばさんだなんて!!!トシ子さんは特別です!俺にとっては永遠に憧れのお姉さんです!!・・・ああ、しまった!!」


自分の制御不能の暴走っぷりにしどろもどろになりながら、俺は思わずトシ子さんの顔を見上げた。


トシ子さんは少し驚いたような表情をした後、クスッと笑い、


「お姉さんか。まだそう言ってもらえるのは嬉しいな。それじゃあいこっか。今度の日曜でいい?」


「はい!じゃあ10時に駅で」


俺はその場でベッドの上を飛び上がり、整体院の天井を突き破りたいぐらいの気持ちだった。
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