ティッシュに涙と少しの残骸
ティッシュ
夕暮れいつもの時間。

ワンッ!

ちー助が吠えた。
俺はグレーのダッフルコートを羽織り彼女から貰ったクリスマスプレゼントの手編み(風)のマフラーを巻き、侑一から借りたままの手袋をはめて階段を降りる。

『母さん、散歩行ってくるわ』
「ついでに豆腐買ってきてよ」

投げて寄越した財布を左手でキャッチしアディダスのスニーカーを履いてドアを開ける。

『ちー助、行くぞ』

ワンッ!ワンッ!

嬉しそうに尻尾をパタパタ振って喜ぶ。
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