キミが翔ける道
ハンカチをくれって言われても…。
タオルは部室だし…



うーん…っと唸っているが、ヒックヒックとまだ涙が止まらないらしい彼女。


何度も何度も、思い返しては涙を流しているんだろう。




「ハンカチ…ないから…」




「…っ…た、高梨くん?!」




彼女の頭を抱え込むようにして、自分の腕の中に包み込んだ。




「いいよ…泣き止むまで…傍にいてあげる。」




「……高梨くん…お願いしてもい?…」




「ん?」





ギュッと俺の背に腕を回した彼女。

そして




「ギュッてして…?」





ギュッと彼女を抱きしめた。



彼女の温もりに…ドキドキ高鳴る胸の音。


聞こえていませんように。


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