キミが翔ける道

気になる 淮翔side

俺は、多分…気になる人がいる。




「あ、また来てんじゃん?彼氏でもいんのか?」



2階にある渡り廊下から誰かを見ている彼女の姿。

それを見た夏都(なつ)がそう呟いた。




「違うと思う…」



「何で?」



違うに決まってる…
何より、自分自身がそうであって欲しいと願ってるから。



隣で俺に呆れた顔を向ける夏都は、「ん~?もしかして…もしかしたりすんのかぁ?」とニタニタ笑いながら俺の腕を突く。



「うるさい」



そう言って腕を上げ、すぐ練習に打ち込んだ。


そんな俺の隣でニカッと笑った夏都は




「そうかー、好きなのか。お前も隅におけねぇなぁ。」




「?何で?」




「だってさ、春川、性格良さそうだし、可愛いし、頭良いのかは良く知らねぇけど…運動出来るっぽいし?…ま、性格良ければ良いよな。」




「そんな人を好きになったお前が凄い」と付け足し、ボールを蹴り始めた夏都。



俺もボールを蹴り始めた。



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