幸せの残量─世界と君を天秤に─
漠然と広がる心のモヤモヤ。
この不安の正体は、なに。
焦りのような、悲しみのようなそれ。
しん──と静まりかえったリビングは私以外誰もいないのだけれど。
そんなことは分かっているのだけれど。
……巧さん。
ソファーは巧さんの匂いがするけれど、巧さんの体温は感じられない。
温もりが恋しい。
「…帰ってくるよね」
そう、自分に言い聞かせるように。
ねえ、巧さん。
ここは貴方の家だもの。
「………ゃく」
はやく、帰ってきて。