オトナな初恋

甘い夜







拓海さんの家に着いて、ソファへと降ろされる。


『もう少ししたら、歩けるだろ。そしたら、家まで送るから。』


隣にすわって、私の髪を撫でながら言う。


「ひとつ…聞いてもいいですか?…なんで、お姉さんといた事言わないで、大学の友達なんて…言ったんですか?」


『…ちょっと、待ってて。』

立ち上がり何かを持って戻って来た拓海さん。


小さな紙袋を私へ渡す。


『開けてみて。』


紙袋の中を覗くと、手のひらサイズの箱。

箱を開けてみた。


「コレ…」

箱の中身は小さな桜の花びらの形をした容器が入ってた。


『昨日、実家に呼ばれてて、姉貴迎えに行った時、その入れ物が、目に入ったんだ。
その時は、すぐに店を出たけど、後で姉貴に聞いたら、中身は空で、好きな香りを入れる事が出来るって…だから、今日もう一度、店に行って、お前に似合う香水選んでた。』

私の為?
顔をあげると、少し恥ずかしそうな顔した拓海さん。




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