オトナな初恋

ジュニア

その日はいつもと様子が違っていた。


朝の更衣室。制服に着替えてからも、鏡を見て自分の姿を何度もチェックする人達。
気合いが入ってる。


今日って何か社のイベントでもあったっけ?


不思議に思いながらも、着替えて更衣室を出た。





『誰かその子捕まえて!』

えっ?と振り返ろうとした瞬間、何かがぶつかってきて、前のめりに倒れた。



いったぁい!!
ぶつかってきた物体を確認しようと顔をあげると、そこには、小さな男の子。


『おねぇさん、ごめんなさぁい。』


「いいのよ。僕、あまり走っちゃ駄目だよ?今みたいにまた人にぶつかっちゃうよ?」


『はぁい。』








って!!子供が何でこんな所に??


そこへ走って来たのは、笹岡さん。

『雄太君!ああ、やっと捕まえた。桜井さん助かったわ。さぁ雄太君行きましょうね。』



『やだ!!』


私の後ろへ隠れる雄太君。


「笹岡さん、この子は?何で会社に子供が??」



『後で説明するから。
雄太君、お願いだから、一緒に戻ろう?』


『や〜だ。』


私のスカートを握り動かない雄太君。




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