オトナな初恋






拓海さんトイレ遅くない?
お腹でも壊してるのかな?それにしては流す音も聞こえて来ない。






やっと出て来た拓海さんは何故か放心状態。





「拓海さん?お腹でも壊した?胃腸薬あるけど飲んだ方が…」




『い、いや…要らないよ』



「でも…」




『いや!大丈夫だから!…亜希、俺今日は帰るよ。』



「え!?もう帰るの?」




『亜希も…た、体調良くなさそうだし…明日も会うのやめて家でゆっくり過ごして。…俺も実家までの運転やっぱり疲れるから、一日家で休むことにする。』






「さっき平気だって…」





『とにかく!!そういうことだから。…ゆっくり寝て休めよ…』





それだけ言って出て行ってしまった拓海さん。





突然どうしたっていうの?トイレに行ってから急におかしくなって…


トイレ?………







あ゛―――――!!!!!




トイレのドアを開ける。




汚物入れの上に置いてある使用済みの妊娠検査薬とその説明書。



包装されたやつの中に使用後にまた閉まってから置いたけど、使った後だとはっきりわかる。





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