オトナな初恋

挙動不審

「奈緒??お兄ちゃん、邪魔!!そこ避けて!!」




言っても動かないので、思い切り押し退けて、奈緒の元へ駆け寄る。






『お、お兄ちゃん!?』





「そうなの。ごめんね驚かせちゃって!今さっき新聞の勧誘きてて、断ったのにしつこいから、お兄ちゃんに断ってもらおうとしてたの。まさか奈緒だとは思わなくて。大丈夫??」








『え、ええ…亜希と話がしたくて…あれ?た、立てない』




立ち上がろうとするけれど、本当に腰をぬかしてしまったみたい。




そりゃ、怖いよね。こんな顔のお兄ちゃんにいきなり怒鳴られちゃ…




そう思って振り返る。
なぜかお兄ちゃんもボーっと突っ立って奈緒を凝視してた。





「と、とにかくあがって。肩かすから…お兄ちゃんも手伝って。……お兄ちゃん聞いてる!?」







『あ、ああ。』




やっと動き始めたお兄ちゃん。二人で奈緒を支えて、リビングまで連れて行った。






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