オトナな初恋
早坂主任は多田さんと話してて、こっちを見てくれない。


こんなの此処に来た意味がないよ。


関口主任は、メニューを広げてこれが美味しいとか、説明してくれるけど、早坂主任が気になって、あまり耳に入って来ない。


関口主任がメニューを注文してる最中、チャンスとばかりに早坂主任に声をかけた。


「早坂主任。昨日は迷惑かけちゃってすみませんでした。」


『もう、気にするな。』


「あと、昨日のご飯代…払ってなくて…いくらでしたか?ちゃんと払います。」

『要らないよ。』


「でも!」


『いいから。黙って奢らせろ。』


「…はい。ご馳走様でした。」


早坂主任、こっち見てくれない…。怒ってる?


『あ、また電話だ。』


そう呟いて席を立つ関口主任。


残された私と早坂主任。

『…』

「…」


気まずい。こんなはずじゃなかったのに。


そんな空気を察してくれたのか、多田さんが、早坂主任に話かけた。


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